Mev

4.25

 

忘れたくないこと 忘れられないこと 

 

撮影の仕事が入って急遽美容院へとびこんだ。こんなこともない限り自分の身なりを整える時間を作ろうとしないから幸運だと思っている。いつも。

 

一時期のカートみたいな髪色にしたくて赤くしたら垢抜けたかもしれない。最近話した友人は垢抜けってなんだ、人は垢まみれだろうと言っていたことを思い出す。

ひとつ前に担当してくれた手の小さい女性が一生懸命髪を染めてくれてた。話したいけど忙しそうなので黙る。友人から連絡が途切れない40件以上。すごく喋りたいんだろうなと思っている。横目で見ておく。

 

16時に目黒駅に集合。まるで夏だねと言い合った。撮影はものの30分で終わって、解散。恵比寿駅まで辿り着いていた。解散場所でどこへむかいますか?と聞かれて、折角だからこの辺を散歩しますと言うと、僕もついていって良いですかと、今回(も)服を製作した方が言ってくれて周辺を歩くことにした。

 

その方は目黒に昔住んでいて、いろんな話を聞かせてくれた。その方が住んでいたアパート、岩井俊二の事務所、プラチナ(白金だもんね)ドンキを見た。

 

蕎麦屋に入ろうと思って覗いてみたけど人がいっぱいで入れなかった。後ろ髪をひかれまくって、目黒までまた歩いた。

目黒で好きな喫茶店があると話した。私も好きでよく行っていた。目黒シネマの帰り必ず寄っていた。もう何年も行ってなかった。目掛けて歩いたけど、そこも空いてなかった。

そしたらイトウヤだ!と発起。また空いてなかった。隣のベローチェに入った。

 

時間の話をした。

乗組員は全員。私たちは移動しているだけ。

 

帰りにとんかつを食べた。

 

また目黒から渋谷まで歩いた。

 

途中、大きな空き地があって、塀に乗った。

 

 

もの、ひと、すごく好きだったことも、すごく好きだった気持ちも時間の中で忘れてしまうこと。

こんなの耐えられないだろうと思う。

 

ただ、今日のことわすれたくないなーと呟いてた。つぶやいたこと、の瞬間だけ救われた気持ちになって、そういうことなんだと思う。私はそうやって、残す。