Mev

8.30~31

8.30

8時起床。恋人の家から自宅へ。一緒に家を出る。渋谷駅、別れる改札への降り口はいつになってもきっと寂しい。手を伸ばせば触れられる距離に居る事に気づくエスカレーター。不思議と思う。自分がまだ学生で2年の超えられない歳月があって それをずっと追いかける日々なんやとしっかり思う。
 
10時帰宅。正に睡魔としか言えない睡魔に襲われて半日寝かされる。自分はなんて怠け者なんやろうと思っていたけどホルモンには抗えないのやった。腑に落ちる。そしていつも少し凹む。女性であるということ。
 
18時出勤。
家主のMVを家で爆流しして踊ってて ハッ!っとなった音とカットが合った事を思い出して頭の中を探るけど見当たらない。思い出せずそのまま。あれは幻やったんやろうか。
24時退勤。同期の男の子2人とたばこを吸いながらよもやま。2人がチャリンコを漕ぐ後姿。
 
8.31
6時起床。身体がふわふわしている、嬉しい疲労、思考停止。作りかけの曲を頭の中で流す。
 
休憩。ギリギリ喫茶モーニング。今日はパンが少し焦げていた。「菊次郎の夏」を見終えたからようやっとユリイカの「北野武そして/あるいはビートたけし」を完全に理解できるぞ!と思い意気込んで手に取るけど、1998年刊行だった。菊次郎は99年でまだ公開されてなかった。
 
働いてる最中、高校生の恋人たちがカルピスウォーター片手に開場を待っているのを職場の人と凝視してヤラれる。制服放課後カルピスウォーター的映画体験。
16時退勤。その足でキノシネマ。
ひとりぽっちで降り立つみなとみらいは帰りたいの気持ちしか湧かなかったけど、先月行ったレイハラカミプラネタリウムお台場の風景を思い出しながら、元気を出す。CLUB JTで喫煙所をくまなく探す。
 
「ドライブ・マイ・カー」を見た。まだ咀嚼できていないけど、5月に友達が亡くなった身からしてのタイミング、取り残された私たちは思い出しながら生きていくしかない。という言葉に胸をうたれる。話さなきゃ、進まない。
私は車の免許を持っていないから乗せてもらった事しか無い。乗っている時のその感覚、感触、優しい揺れ。ときめきとも違う、でも胸の中が安らぐような、車特有の優しさみたいなのが確かにあるよなと思う。少し違うけど、好きな人が運転している車にたまたま乗って、男の人の運転はかっこいいってこれか と思った事も。そうやって膨らむ。すごい、ずるい映画だった。
 
その瞬間、言葉、行動で表したいけど一体何処まで。全部が伝わる事なんて一生ないのに一緒にいるのはなんで。この全部の想いを伝える為には、体感してもらうには何年もかかるんやろう。それを出来るだけ形にしたい。それだけなんやと思う。
全てを無かったことにはできないから、それを受け入れる強さがずっと欲しいよ。私の事も、それ以上にあなたの事を。弱いからその度泣いていけたら、それが1番いい。
電話口であと2時間で8月が終わるよ、と声。